2016年11月02日

高齢者を乗せた無人タクシーが愛知県の公道を走行…「交通弱者」への対策として期待も

タクシー

2016年10月、愛知県春日井市の公道において、高齢者らに自動走行車でショッピングセンターに出かけてもらう「無人タクシー」の実証実験がおこなわれました。

自動運転による無人タクシーは、近年問題となっている「交通弱者」の移動手段としても期待されており、同県では開発の後押しもおこなっているとのことです。

公共交通機関の撤退などにより「買い物弱者」になる高齢者も

ちなみに、「交通弱者」という言葉には下記の2つの意味があります。

1.交通事故の被害に遭いやすい人(高齢者や子どもなど)
2.自分で車を運転することができないため、移動手段の確保が難しい人

冒頭に述べた自動運転車の実用化において焦点となっているのは、2番目の「移動手段の確保が難しい」人たちです。

近年では利用者の減少によりバスなどの公共交通機関が撤退してしまっている地域も多く、こうした地域においては車を運転できない高齢者が、日常の食料や生活用品などの購入に困難を強いられる「買い物弱者(買い物難民)」になってしまうケースも多いといわれています。

交通弱者・買い物弱者に対する自治体や民間企業の取り組み

上記のような交通弱者に対処するための手段として、自治体においては無料(割引)タクシー券の配布や乗合バスを運行するなどの対策をおこなっているところも多く、また近年では民間においても買い物弱者へのサービスとして宅配や車での移動販売をおこなうスーパーが増えてきています。

これらの方法に比べて、自動運転による無人タクシーが交通弱者への対策としてどの程度有効なのかは未知数の状態ですが、コスト軽減や安全性向上の可能性もあることから、現在は国や自治体において自動運転車の検討や実証実験が繰り返されている状況といえるでしょう。

「自動運転よりも乗合タクシーを」という意見も

冒頭に述べた春日井市での実証実験では、80歳の参加者から「乗り心地は良かった。自動で行き帰りできれば、こんなに便利なものはない」という感想が聞かれる一方で、自動運転に関する国の検討委員会が地方の高齢者に対しておこなったヒアリングでは、「自動運転よりも、乗り合いタクシーを税金でやってくれた方がうれしい」という意見も出たといいます。

また、現在おこなわれている実証実験の段階では、ハンドル操作はしないものの無人タクシーの運転席には安全のために人が座っている状態であり、運転席に人のいない完全自動運転の実現には、法の整備も含めてまだまだ時間がかかる状況といえそうです。

▼参考資料
・無人タクシー 公道で実証実験 交通弱者の移動手段に 県と春日井市など/愛知 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161006/ddl/k23/040/259000c

・公共交通のあり方考えよう/栃木 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161008/ddl/k09/070/163000c

・買い物弱者を支えていくために 経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/pdf/kaimonomanual_ver1.pdf

・交通弱者に自動運転は必要か 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/090200078/090700020/

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