2017年02月23日

介護休業の取得を阻むケアハラとは…企業には防止措置の義務づけも

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ここ数年、家族を介護する労働者へのハラスメント(介護ハラスメント、ケアハラ)がたびたび社会問題として新聞などで取りあげられています。

ケアハラとは家族の介護や介護休業の取得などを理由に、職場において不当な降格や配置転換といった不利益な扱いや不快な言動、いやがらせなどを受けることを指す用語ですが、2017年1月から施行された改正育児・介護休業法では、こうしたケアハラの防止措置をおこなうことも事業主に義務づけられるようになりました。

ケアハラは職場での介護ハラスメントを指す用語に

ちなみにケアハラという用語は、介護職に従事する人に対する利用者やその家族からの暴言・暴力などのハラスメントを指す場合もありますが、現在ケアハラは冒頭に述べたような職場でのハラスメントを指す意味合いで使われる機会が多くなっています。

これは近年、家族の介護や看護を理由に退職・転職する介護離職の増加が社会問題化しているためと思われますが、年間10万人ともいわれる介護離職者は、今後も要介護者の増加に伴って増える見込みといわれています。

介護休業の分割取得や介護休暇の半日取得も可能に

こうした状況を受けて施行された改正育児・介護休業法では、仕事と介護の両立の困難さから仕事を辞めざるをえない介護離職者を減らすべく、従来は対象となる家族1人に対して原則1回・93日までしか取得できなかった介護休業を、3回に分けて取得できるようにするなどの変更もおこなわれています。

また改正法では、介護休暇(介護が必要な家族1人につき年に5日まで取得可能)についても半日単位での取得が可能となっており(従来は1日単位)、家族の介護をする人は、必要に応じてより柔軟な形で休みが取れるようになったといえるでしょう。

会社員の9割近くが制度を利用していないという現実も

介護休業は正社員に限らず派遣やパート、アルバイトなどの有期契約労働者でも一定の要件を満たせば利用できる制度です。

育児休業や介護休業をすることができる有期契約労働者について 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h28_11_01.pdf

しかし、その一方で介護をしている会社員の9割近く(88.5%)が「介護休業制度を使用していない」と回答しているデータも公表されています(株式会社富士通マーケティングによる2015年のアンケート)。上記のアンケートでは、「今後のキャリアに影響すると感じる」ことも制度を利用しない理由としてあげられていましたが、現在はこの改正法が企業におけるケアハラの防止やスムーズな介護休業の取得にどの程度効力を発揮するのか、今後の展開に注目が集まっている状況といえそうです。

▼参考資料
・職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!! 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000137180.pdf

・毎年10万人が介護離職、求められるケアハラ対応 日本経済新聞
http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0100E_R00C13A8000000?channel=DF061020161183&style=1

・改正育児・介護休業法及び改正男女雇用機会均等法の概要 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000132033.pdf

・介護をしている会社員の88.5%が、「介護休業制度を使用していない」と回答 株式会社富士通マーケティング
http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/resources/news/press-releases/2015/151022.html

介護ぱど運営事務局