2017年03月07日

高齢者向けの賃貸住宅として空き家を活用…政府が「住宅セーフティネット法」の改正案を閣議決定

東京都内

2017年2月、政府が住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)の改正案を閣議決定したことが報じられました。

この改正案には、民間の空き家を高齢者や子育て世帯向けの賃貸住宅として登録する制度の新設や、こうした住宅の改修に対する支援プランなどが盛り込まれているとのことです。

賃貸住宅では高齢者への「貸し渋り」が問題に

高齢化の進展に伴い、高齢者のひとり暮らしや高齢の夫婦のみの世帯も増えていますが、そこで問題となるのが賃貸住宅の高齢者への「貸し渋り」です。

日本賃貸住宅管理協会がおこなったアンケートでは、家主の7割以上が高齢者世帯との賃貸契約に「拒否感がある」と回答する結果も見られましたが、近年ではこうした状況を受け、高齢者の住まい探しをサポートする自治体や社会福祉法人、民間企業なども出てきています。

空き家を高齢者らの入居を拒まない賃貸住宅に

一方、今回政府が閣議決定した改正案では、持ち主が空き家を高齢者や低額所得者、子育て世帯など住宅の確保に特に配慮を要する人々(住宅確保要配慮者)の入居を拒まない賃貸住宅として都道府県に登録する制度が新設されており、入居希望者は自治体が提供する物件情報から住まい探しができるようになるとのこと。また、この制度で登録された住宅のなかでも特に高齢者に入居を限定した物件は「専用住宅」と位置づけられ、国や自治体からバリアフリー化などの改修費や家賃の補助もおこなわれるそうです。

国土交通省では上記の新制度を2017年秋にもスタートさせる予定であり、2020年度までに全国で17万5千戸の登録を目指しているとのこと。こうした施策がおこなわれる背景には、住まい探しが困難な高齢者世帯が増える一方で、人口の減少や過疎化が進む地域では空き家の増加が問題となっている状況もあるといえます。

国土交通省の資料には、ひとり暮らしの高齢者が今後10年で100万人増えるという予測も記載されていますが、人口減などから公営住宅の増設が困難といわれている現在において、高齢者が安心して暮らせる住まいを確保するうえで、上記の新制度は重要な意味を持つ施策となるかもしれません。

▼参考資料
・高齢者らに空き家賃貸=供給促進法改正案を閣議決定 時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020300356&g=eco

・空き家活用、高齢者住宅に登録 改正法案を閣議決定 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG03H1A_T00C17A2CR0000/

・「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000165.html

・「貸し渋りをなくしたい」高齢者の入居を敬遠する家主・業者と無料で交渉 読売オンライン
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160812-OYTET50005/

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