2017年06月05日

【一人っ子による介護】や【おひとりさま介護】、気になる費用や注意点は?

つないだ手

ここ数年、「一人っ子」の人や、「おひとりさま」といわれる独身者による介護が社会問題として新聞などに取り上げられるようになりました。

これは、こうした人々が親の介護に直面した場合、兄弟姉妹や配偶者がいないことから、介護の負担を一人で抱え込んでしまうケースが多いためといわれています。ここでは、一人で親の介護をおこなう人が注意しなければならない点や、費用の負担などについて解説していきます。

「一人っ子」「おひとりさま」による介護が増える理由とは

近年、国内では少子化が社会問題となっていますが、厚生労働省の資料(「グラフで見る世帯の状況~国民生活基礎調査の結果から」)によれば、1986年の時点では全世帯における「児童(※)のいる世帯」の割合は46.2%でした。それが2013年には約半分の24.1%まで減少しています。

また、児童のいる世帯における子どもの人数についても、1998年ごろまでは「二人っ子」世帯がもっとも多かったのですが、2007年には「一人っ子」世帯の数が「二人っ子」世帯を追い抜き、こうした傾向は現在も続いています。さらに2017年4月には、「50歳まで一度も結婚したことがない人」の割合を示す生涯未婚率が2015年に過去最高となっていたことが報じられましたが、こうした少子化や未婚化・晩婚化の影響により、近年では兄弟姉妹や配偶者といった家族を頼ることができず、一人で親の介護をおこなわざるを得ない人が増えているともいわれています。

介護にはどれぐらいの費用がかかるの?

電卓とペン

たとえば在宅介護(親と同居しての介護)の場合、月々にかかる介護の費用は、公的介護保険による介護サービスの利用料と、オムツなどの介護用品代や医療費、税金といった介護サービス以外の費用の2つに分けられますが、2011年に公益財団法人 家計経済研究所が「在宅で親を介護している人」を対象としておこなった調査によれば、在宅介護における支出の平均金額は1ヶ月あたり6万9千円(介護保険による介護サービスの利用料の平均月額3万7千円と介護サービス以外の支出の平均月額3万2千円の合計)とのこと。

ただしこれは、介護保険によるサービスの限度額を超えた「全額自己負担分」も計算に入れた数字であり、実際は多くの人が介護保険の範囲内で介護サービスを利用していることを考えると、在宅介護にかかる負担額の平均は月々4万5千円程度ともいえます(介護保険サービスの1割負担分の平均+介護サービス以外の費用の合計)。

また介護にかかる費用については、要介護度が重くなるにつれて支出も増えるといわれていますが、上記の調査によれば要介護度がもっとも軽い「要支援1」の人(介護保険による介護サービスを1割の自己負担で利用の場合)で平均月額2万1千円程度、もっとも重い「要介護5」の人(全額自己負担による介護サービスの利用もある場合)では平均月額10万7千円程度の負担があるとのこと。さらに同調査では、「要介護4か5で、認知症も重度」という介護負担がもっとも重いと考えられる世帯において、1ヶ月平均13万円程度の支出があることも判明しています。

介護にかかる一ヶ月あたりの費用は、上記のように介護を必要とする人の状態によって大きな差がありますが、それに加えて2015年8月からは介護保険制度の改正により、一定以上の所得のある高齢者(年金収入の場合は年間280万円以上)の介護保険の自己負担分が2割に引き上げられているため、介護にかかる費用を算出する場合には、介護サービスを受ける人の所得の状況についても確認しておく必要があります。

介護費用は誰が払うのか?

それでは上記のような介護にかかる費用は、いったい誰が支払うことになるのでしょうか?

こうした「介護費用の負担状況」については、2013年に厚生労働省が調査をおこなっていますが(「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」)、調査の結果を見ると、現在働いている就労者で介護が必要な父母がいる人の場合、介護費用を「負担していない(親などが負担している)」と答えた人の割合がもっとも多く、男女ともに半数を超えていることが確認できます(男性54.0%、女性59.1%)。

上記の調査でも明らかなように、介護費用は介護される当事者である親の年金や貯金、保険などで支払うことが一般的とされており、一人っ子だからといって、必ずしも介護にかかる費用の負担を一人で抱え込む必要はありません。もちろん、親の所得や資産の状況によっては子どもが介護費用を負担しなければならないケースも多いため、介護をスムーズに進めるためには、できれば介護が必要な状態になる前に親の経済状況を把握しておくことや、親との間で介護費用の負担についての話し合いや取り決めをおこなっておくことなどが重要となります。

一人っ子による介護では精神的負担にも注意

悩む女性

また、上記のような金銭的な面だけでなく、一人で介護をおこなう人は精神的な負担も一人で抱え込んでしまいがちといわれています。近年では介護のストレスによる「介護うつ」が社会問題となっていますが、「相談相手の存在」と「介護の負担感」の関係に着目した東京大学大学院医学系研究科の近藤尚巳准教授の研究によれば、家族・友人といった「身近な相談相手」が1人以上いる人は、「身近な相談相手」がいない人よりも介護の負担感の程度が約13.7%低いとのこと。

一人っ子や単身者の場合、こうした身近な相談相手がなかなか見つからないというケースもありますが、精神的な負担を一人で抱え込まないようにするためには、介護について話せる友人や相談に乗ってもらえるケアマネジャー(介護支援専門員)、ヘルパー、かかりつけ医などの存在は非常に重要となります。

また身近に相談相手がいない人の場合は、各地域に設置された地域包括支援センターが介護の相談窓口となっているほか、公益社団法人 認知症の人と家族の会のように、介護をおこなう人たちが交流できる場を設けている団体もあります。

地域包括ケアシステム(ページ下部に全国の地域包括支援センターの一覧を記載) 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

公益社団法人 認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/

「介護うつ」にならないために…状況にあった介護を選ぶことも大切

なにかと負担の面ばかりが強調されがちな「一人っ子」や「おひとりさま」による介護ですが、介護の方針や費用の負担について、親と1対1で話し合って決めていくことができるのは、一人で介護をおこなう人の強みでもあります。これは、「一人っ子」や「おひとりさま」に限ったことではありませんが、介護をスムーズにおこなうためには、申請や手続きなどにおいて「早め早め」に動いておくことが重要であり、一人で介護をおこなう人は、それだけ素早く決断や行動ができる可能性が高くなるともいえます。

もしも、親が自立した日常生活をおくるのが困難な状態になった場合や、生活に不便を感じるような心身の状態になった場合には、まずは地域包括支援センターに相談し、すみやかに要介護・要支援認定の申請をおこなうことが大切です。その後はケアマネジャー(介護支援専門員)と相談しながら、介護のプランを立てていくことになりますが、その際に重要となるのが、「介護される人」と「介護をする人」の双方にとってベストな方法や手段を検討することです。

親と同居しておこなう在宅介護については、離れた地域に暮らしながら遠距離介護をおこなう場合や、老人ホームなどの施設に入居してもらう場合に比べて、交通費や施設の利用料がかからない分、費用が低く抑えられるともいえますが、一人っ子の場合は親と二人きりで過ごす時間が長くなる可能性も高く、それが介護のストレスにつながってしまうおそれもあります。こうした場合は、たとえばデイサービスやデイケアといった通所型の介護施設を利用して、親と離れる時間を作るという方法が、お互いのストレス軽減に有効となるかもしれません。

また予算の面で可能であれば、自宅近くの老人ホームやグループホームといった施設に入居してもらい、こまめに様子を見に行くほうが、同居をするよりも親との関係が上手くいくケースもあります。このように介護をおこなう際には、それぞれの事情や状況にあった方法や手段を選ぶことが大切ですが、親や自分が支払える予算内でどのような介護が可能なのかという点を把握しておくためにも、「一人っ子」や「おひとりさま」の場合は、日ごろの親との話し合いやコミュニケーションがより重要な意味を持つといえるでしょう。

▼参考資料
・グラフで見る世帯の状況~国民生活基礎調査(平成25年)の結果から 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h25.pdf

・平成26年 国民生活基礎調査の概況 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa14/dl/16.pdf

・生涯未婚率、男性23%・女性14% 過去最高 朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASK453S6KK45UTFK00G.html

・在宅介護のお金と負担 公益財団法人 家計経済研究所
http://www.kakeiken.or.jp/jp/research/kaigo2013/

・仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(平成24年度厚生労働省委託調査)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/h24_itakuchousa05.pdf

・身近な相談相手で介護負担感 1 割低い 日本老年学的評価研究プレスリリース
https://www.jages.net/about_jages/puress/?action=cabinet_action_main_download&block_id=967&room_id=35&cabinet_id=20&file_id=457&upload_id=1190

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