2017年06月09日

高齢ドライバー向けの運転能力診断を自動車教習所が実施…運転継続の可否も判定

高齢者マークと男性

2017年3月12日、高齢ドライバーの認知症対策を強化した改正道路交通法が施行されました。

この改正法では、免許更新時の認知機能検査で「認知症のおそれ」と判定された75歳以上のドライバーに対して医師の受診が義務づけられており、認知症と診断されたドライバーについては免許取り消し(停止)処分とすることが定められています。

免許の自主返納が進む一方で運転が欠かせない高齢ドライバーも

上記の改正法は高齢ドライバーによる事故が多発していることを受けて施行されたものですが、改正法の施行後は認知機能検査で「認知症のおそれ」と診断された運転者による免許の自主返納も各地で進んでいるとのことです。

その一方で、電車やバスといった公共交通機関が発達していない地域では、買い物や病院通いに使用する「生活の足」として自動車が欠かせない高齢者が多いという現状もあることから、最近では高齢ドライバー向けに運転能力診断をおこなう自動車教習所も出てきています。

運転技術の診断のほか、運転継続の可否についての判定も

愛媛・宇和島市にある宇和島自動車学校では、2017年から「高齢者運転診断」をスタート。同校では指導員が助手席に同乗して運転技術をチェックする「実車運転診断」のほか、検査機器による「運転適正診断」や、全国共通の要領に沿った「認知機能検査」も実施されています。

これらの診断・検査においては、高齢ドライバーの運転技術の評価や運転継続の可否についての判定などもおこなわれていますが、3年に1度の法定講習と違い、こうした教習所による運転診断は「思い立ったときに受けられる」というメリットもあります。また価格については、宇和島自動車学校の場合、「実車運転診断」が2000円、「運転適正診断」が1000円、「認知機能検査」が650円となっており、所要時間はそれぞれ20~30分程度とのことです(2017年4月現在)。

自分の運転技術を正確に把握することが事故防止につながる

上記の教習所に限らず、最近では教習所の業界団体である一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会(全指連)も、全国の教習所で使える能力診断づくりに乗り出しており、2017年秋からおもに高齢ドライバーを対象とした「運転診断講習」を開始する予定とのこと。

高齢ドライバーが事故を起こしやすい要因としては、加齢による能力の低下に本人が気づかず、運転技術を過信してしまうことも指摘されていますが、自分の運転能力を正確に把握し、事故防止につなげるためには、運転者が定期的にこうした診断を受けることも重要といえるかもしれません。

▼参考資料
・認知症と運転免許 当事者と一緒に議論深めて 朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASK3H7T7VK3HULZU00J.html

・道内71人、認知症の恐れ 7人免許返納など 道交法改正1カ月
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0389447.html

・「生活の足」守りたい 高齢者の運転、教習所でいつでも診断 朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/SDI201704093078.html?rm=519

・高齢者運転診断を行います。 宇和島自動車学校
http://uwajima-ds.jp/documents/koureiunntennsinndann3.pdf

介護ぱど運営事務局