2017年06月14日

認知症の前段階ともいわれる「軽度認知障害」…早期発見が重要な理由とは

高齢者夫婦

正常と認知症の間に位置づけられ、将来的に認知症に進展する可能性が高いといわれる「軽度認知障害」(MCI)。

認知症においては早期発見や早期治療が大切といわれていますが、MCIという用語はこうした考え方を背景に使われるようになった言葉であり、認知症の前段階をあらわす場合にも用いられます。

認知症の高齢者は全国に約462万人、MCIは約400万人

厚生労働省の資料によれば、2013年の時点における全国の65歳以上の認知症患者は約462万人と推計されるとのこと。またそれとは別に、認知症の前段階といわれるMCIの人も全国で約400万人いると推計されるそうです。

MCIの状態になったからといって、すべての人が認知症になるわけではありませんが、MCIの原因となっている疾患を放置した場合、4年間で約半数の人が認知症に移行するともいわれており、うつ病などを併発するリスクがあることも指摘されています。

どのような状態がMCIなのか?

ちなみに、いまのところMCIの一般的な定義は下記の5つとなっています。

・本人または家族から記憶障害の訴えがある
・日常生活は普通におこなえる
・全般的な認知機能は正常
・年齢や教育レベルの影響だけでは説明できない記憶障害がある
・認知症ではない

認知症やMCIに限らず、誰しも加齢とともに「物忘れ」は出てくるものですが、たとえば同じ話を何度も繰り返したり、同じ商品を何度も買ったりといった行動が目立つ場合は要注意かもしれません。またMCIは、「料理や縫い物、家電の操作や自動車の車庫入れなどの複雑な作業が困難になる」「人とのコミュニケーションが難しくなる」「怒りっぽくなったり、意欲が低下したりする」といった形であらわれてくる場合もあるといわれています。

早期発見により、認知症の発症を遅延できる可能性も

MCIは早い段階で発見することによって、認知症への進展を遅らせたり、能力を回復したりできる可能性が高くなるといわれています。

そのため、もし高齢の家族にこうした行動が認められた場合は、「物忘れ外来」など認知症に特化した窓口を設けている医療機関を受診して専門医のアドバイスを受けることや、運動不足や偏食など認知症になりやすい生活習慣を改善すること、デイサービスやデイケアなどに参加して人とのコミュニケーションや脳のトレーニングをおこなうことも大切といえるでしょう。

▼参考資料
・軽度認知障害 認知症の「予備軍」 産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/170416/wst1704160004-n1.html

・うつ病併発も 4年間で半数が認知症になる軽度認知障害 週刊朝日
https://dot.asahi.com/wa/2015071700076.html

・認知症施策の現状について 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000065682.pdf

・MCI、軽度認知障害って何でしょう? 認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/webfile/po-le417_web.pdf

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