2017年06月19日

高齢者は「多すぎる薬」の服用に注意…厚労省が副作用リスクなどについて調査

薬を飲む人

高齢になるとさまざまな持病を抱えている人も多く、何種類もの処方薬を服用しているというケースが多く見られますが、そうした場合に問題となるのが薬の飲み合わせや副作用のリスクです。

こうした問題を受けた厚生労働省では、2017年4月から高齢者医薬品適正使用検討会をスタートし、高齢者が複数の薬を服用した際の副作用リスクを減らすことや、薬の処方の適正化などについての対策を検討しはじめたとのことです。

2つ以上の持病を抱える高齢者は平均6種類の薬を服用

上記の検討会のメンバーは薬の専門家である大学教授ら19人で構成され、医療現場向けの指針作成を目指して、2018年度末をめどに報告書をまとめる予定とのこと。

また2017年4月に開催された初会合では、2つ以上の持病を抱える高齢者には平均で約6種類の薬が処方されているという調査結果や、75歳以上の後期高齢者においては、複数の医療機関から10種類以上の薬を処方されている人が3割近く(27.3%)存在するというデータなどが報告されていました。

服用薬が6種類以上になると、要介護リスクが2.4倍に

一般的に、高齢になると体内で薬を分解する機能が低下することなどから、高齢者においては薬が強く効きすぎたり、副作用が強く現れたりしやすいといわれています。

また高齢者に起こりやすい薬の副作用としては、ふらつきや転倒、意識障害などが指摘されていますが、上記の検討会では服用する薬が6種類以上になると副作用が明らかに増え、転倒などにより要介護に認定されるリスクが2.4倍高まることなども報告されたといいます。

服用する薬の種類や回数が増えると、薬は正しく服用されにくい

最近では、「レジ袋一杯の薬を病院や薬局から持ち帰る」高齢者の姿もめずらしくなくなっていますが、上記の検討会では服用する薬の種類や回数が増えるほど、薬が正しく服用されにくくなるというデータも報告されています。

また近年、飲み忘れなどにより患者の手元に多くの薬が残ってしまう残薬も社会問題となっていますが、多すぎる薬の服用は患者にとって副作用のリスクを高めるだけでなく、「何が本当に必要な薬なのかわからなくなる」という事態も引き起こしてしまいがちです。

自己判断で薬の服用を中止するのは禁物ですが、高齢者の場合は複数の医療機関から薬を処方されているケースも多いため、家族が定期的に服用薬をチェックし、「多すぎるかな?」と感じたら主治医やかかりつけ医に相談して、薬の量や種類を適切に調整してもらうことも、服薬によるトラブルを防ぐためには大切といえるでしょう。

▼参考資料
・高齢者 服薬に指針、飲み合わせ・副作用調査 厚労省方針 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170418/k00/00e/040/234000c

・第1回 高齢者医薬品適正使用検討会 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000162483.html

・高齢者のための薬の知識 日本薬剤師会
http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2008/01/3_kusuri.pdf

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