2017年07月14日

要介護の申請から認定までの手続きの流れ

クマさん

家族が介護の必要な状態になったとき、要介護認定を受けることでその程度に応じたサポートを受けることができるようになります。

介護は家族だけが抱え込むのではなく、地域全体で支え合うことが大切だといわれています。介護サービスを受けるためには「要介護認定」の手続きやケアマネジャーとの具体的なケアプランの作成などを行う必要がありますが、介護が必要になるまで、「介護についての知識は何もない」という人がほとんどです。今回は、要介護の申請から認定までの流れについて、介護はまったくの初心者という人でもわかりやすく理解できるようにまとめてみました。

要介護認定の手続き

●要介護認定とは
介護保険制度では、次のような状態になった場合に介護保険を利用して介護サービスを受けることができます。

・寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態になった場合(要介護状態)
・家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態になった場合(要支援状態)

介護を必要とする人が、要介護状態や要支援状態にあるかどうか、またそのなかでどのくらい介護サービスを行う必要があるかの判定を行うのが「要介護認定(要支援を含む)」です。判定は保険者である市町村に設置される介護認定審査会が行い、全国一律に客観的な基準が定められています。

●要介護認定の申請をするには
要介護認定を受けるには、まずお住まいの市区町村へ申請を行います。各役所の介護保険課などが担当窓口になっていますが、窓口がわからない場合には総合案内で「要介護の申請に来た」と伝えて担当する窓口を案内してもらいましょう。

【申請をする際に必要なもの】

①「申請書」

◇記入内容
・利用者本人の情報:氏名、生年月日、性別、住所、電話番号など
・被保険者番号:保険証に記載されている番号を記載
・立会人の情報:訪問調査に同席する者(家族など)の氏名、利用者本人との関係、電話番号など
・主治医の情報:主治医がいる人は医師の名前・病院名等を記入。主治医がいない人は市区町村指定の医師の診察を受けてから申請書に医師の名前・病院名等を記入。

※申請書に記載された医師に対し、市区町村から主治医へ「主治医意見書」の作成が依頼されます。

◇取得方法
・お住まいの市区町村の介護保険課窓口で直接もらう。
・地域包括支援センターでもらう。
・市区町村のホームページからダウンロードする。

②「被保険者証」

・65歳以上の方:介護保険被保険者証
・65歳未満の方:医療保険の被保険者証

申請書への記入ができたら、お住まいの市区町村の介護保険課窓口、または地域包括支援センターへ申請書を提出しましょう。

要介護認定の訪問調査

メモとペン

●訪問調査とは
市区町村に要介護認定の申請をした際、原則として1~2週間以内に訪問調査員(認定調査員)が自宅などを訪ねて利用者の心身の状態についての聞き取り調査を行うことです。

●調査前に準備しておいたほうがよいこと
①本人の普段の様子についてメモ書きして整理しておく。
・普段の生活において困っていることを具体的に
・これまでにした病気やけがについて
・認知症などによる問題行動については概ね1ヶ月以内にあったことをメモ

②「認定調査票」に目を通しておく
調査員は介護認定調査票の内容に沿って質問を行うので、その項目をあらかじめ確認し、どのように伝えるか考えて準備しておくと安心です。認定調査票は、自治体の窓口でもらうことができます。

●当日は家族も同席して臨むことがおすすめ
調査では利用者の状態について聞かれますが、その際に「はい、いいえ」だけの返答ではなく「どのように動きにくいのか」「どんなときに不自由を感じるのか」など具体的に伝えることが大切です。また本人が、できないことを「できる」と答えることもよくあるケースなので、そのときには本人がいない場所で調査員に「本人はできると言っていたが、本当は…」と事実を伝えるようにしましょう。

調査員はそれらの情報を「特記事項」に文章で記入します。なお、病名や既往歴については「主治医意見書」と照らし合わせて介護認定審査会で審査されます。そのため実際よりもオーバーに伝えると「主治医意見書」と内容が合わないということになり再調査になりかねませんので、あくまでも事実を具体的に伝えることが大切です。

要介護認定の審査・判定

●一次判定と二次判定
介護サービスの必要度の判定は、客観的で公平な判定を行うため、コンピュータによる一次判定と、それを原案として保険医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行われます。

一次判定:認定調査の結果を基に、コンピュータによる判定

二次判定:保健医療福祉の学識経験者5名程度で構成された介護認定審査会による判定

介護を必要とする程度(要介護状態区分等)が判定

●要介護認定の通知
介護認定審査会で審査・判定された要介護状態区分や認定有効期間などの結果は郵送で本人に通知されます。また、同封されている「介護保険被保険者証」には認定の結果として、要支援1、要支援2または要介護1から要介護5までのいずれかの要介護状態区分等が記載されています。

●認定結果に納得できない場合
認定結果の内容について、「実際よりも要介護度が低い」など不満を感じる場合もあります。その場合にできることとして、次の2つがあります。

①市区町村の窓口に相談する
まずは市区町村の担当窓口へ問い合わせて説明を受けましょう。認定結果の通知書は結果だけが書かれていて、認定調査員がどのような項目に何点をつけたという部分は記載がないためわかりませんが、市区町村に認定調査の情報開示を請求することで調査項目とその点数、特記事項の確認ができます。

②再審査の申し立てをする
市区町村の担当窓口の説明にも納得できない場合は、認定結果通知書を受け取ってから60日以内に、都道府県に設定されている第三者機関の「介護保険審査会」に市区町村の窓口を通じて再審査の申し立てをすることができます。

ケアプランの作成

介護士と医師

●ケアプランとは
ケアプランとは、介護保険を使ったサービスを利用するための計画書のことです。利用者やその家族の希望に沿ったサービスを適切に利用できるよう、必要なサービスの種類や内容を決め、時間配分や限度額などを考慮しながら組み立てていきます。

ケアプランは利用者やその家族が作成することもできますが、ケアプランを作成するには介護サービス事業者との交渉や調整のほかに書き方の様式や点数計算などの専門的な知識が必要となるため、ケアマネジャーに依頼するのが一般的です。

●ケアマネジャーとの契約
要介護度が認定されたら、ケアマネジャーを選び契約をします。ケアマネジャーは、正式には「介護支援専門員」といい要支援または要介護と認定された人が適切な介護サービスを受けられるようにするためにケアプラン(介護サービス計画)を作成してくれます。

ケアマネジャーは利用者にとって最も身近な相談窓口になるので、実際に会って話をしてみて、信頼できる人を選びましょう。ケアマネジャーの多くは居宅介護支援事業者に所属しています。要介護認定の通知書と一緒に、市町村から居宅介護支援事業者のリストが送られてきますので、そこからご自身で選ぶか、地域包括支援センターや住宅介護支援センターでも情報を提供してもらえるので活用しましょう。

要介護認定の申請に関するQ&A

Q:要介護認定を受けるには費用がかかるの?
A:要介護認定にかかわる費用の利用者負担はありません。

Q:メールやインターネットでの申請はできる?
A:要介護認定の申請はメールやインターネットではできません。

Q:本人が申請できないときはどうすればいいの?
A:家族が代わりに申請できます。また、家族や親族も難しい場合には居宅介護支援事業所が行っている介護保険申請代行サービスを利用することも可能です。

Q:認定結果が通知される前にサービスの利用はできるの?
A:申請後、地域包括支援センターやケアマネジャーが必要により暫定的なケアプランを作成します。それに基づいて認定結果が通知されるまでの間も1割の自己負担でサービスを利用することができます。ただし、認定結果が非該当(自立)であった場合や支給限度額以上のサービスを利用した場合は、その超えた部分の費用は全額自己負担となります。

Q:訪問調査には家族も同席したほうが良いの?
A:認定調査の際、本人は出来ないことでも「できる」と答えてしまうことがあるため、本来の姿を調査員に伝えるためにも必ず家族が立ち会うことをおすすめします。

 

手続きから介護サービスを受けるまでの流れはいかがでしたでしょうか。本人やご家族の方が、自分らしく生き生きとした毎日を送れるように介護サービスは整えられています。一連の手続きのひとつひとつは、介護を行っているご家族や本人にとって負担に思われることもあるかもしれませんが、必要なサポートを受けるためにもぜひ時間をとって行っていただきたいと思います。

介護ぱど運営事務局