2017年07月26日

認知症による暴力・暴言、その原因と介護の方法

手を合わせる

さまざまな負担が伴う介護の中でも、認知症による暴力・暴言は最もシリアスな問題です。その行動障害はさまざまな形で現れます。「なにげない一言に怒りを爆発させ、殴ったり蹴ったりする」「体に触れると手に噛み付く」といった暴力そのものだけではなく、「胸やお尻を触る」といったセクハラ行為、「私の物を盗んだ!」といった暴言なども見られるようになります。

認知力が低下し、人が変わったように振る舞う近親者に対して、ショックを受ける方も少なくないでしょう。一体なにが大切な人を粗暴に変えてしまうのでしょうか?

暴力を引き起こす2つの要因とは?

なぜ暴力が起こるのかを知るためには、2つの要因に目を向ける必要があります。ひとつは認知症からくる「脳機能の低下」、もうひとつはご本人が抱いている「心理的背景」です。

【要因1】脳機能の低下

アルツハイマーなどの病気により脳機能が低下すると、怒りなど感情の高ぶりを理性でカバーできなくなります。健康なときは抑えられていた、ちょっとした出来事や言動にも、怒りのスイッチが入ってしまうのです。また、ひと言で認知症といっても、以下に挙げる病気のタイプにより、暴力・暴言に至るプロセスは異なります。

・アルツハイマー型認知症

人間の「知・情・意」を司る前頭葉・側頭葉が委縮して起こる認知症で、人間関係や社会的ルールを維持する能力や感覚が低下します。順番抜かし、赤信号で道路を渡るなど、自分の思うがままの行動が多くなり、万引きや痴漢などで警察に捕まっても罪悪感を感じることができません。ルール違反を指摘されると逆上し、暴力につながることもあります。

・レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症の次に多いタイプです。初期の段階で手足の震えや小刻みな歩行といったパーキンソン症状が出ます。人や虫、動物など、そこに存在しないものが見える幻視の症状が特徴的で、「そこに子どもがいる」「盗聴されている」といった幻覚は、それを否定する家族との言い争いやトラブルの一因となります。また、眠っている間に怒りだしたり、奇声を発したり、暴れたりする「レム睡眠障害」という特有の症状もあります。

・前頭側頭型認知症

人間の「知・情・意」を司る前頭葉・側頭葉が委縮して起こる認知症で、人間関係や社会的ルールを維持する能力や感覚が低下します。順番抜かし、赤信号で道路を渡るなど、自分の思うがままの行動が多くなり、万引きや痴漢などで警察に捕まっても罪悪感を感じることができません。ルール違反を指摘されると逆上し、暴力につながることもあります。

【要因2】心理的背景

多くの場合、認知症の暴力・暴言は、前述のような病気を根本的な原因として、そこにご本人の焦燥感や介護者とのコミュニケーションの不具合など、「心理的背景」が加わることで起こりやすくなります。心理的背景には以下のようなものがあります。

・日常生活が思うようにできない焦燥感や被害感
・介護者の行為の意味がわからず、身の危険を感じる
・自分の居場所がない不安
・失敗してしまう自分に対する憤り、イラ立ち
・自分の置かれている状態が気持ちにそぐわない

なお、過去の生活歴として、もともと家族に手をあげる体質だった人、プライドが高い人、気が短く怒りっぽい人などは、やはり認知症になってからも暴力につながりやすい傾向があります。

こんな介護が、暴力の引き金になる

怒る高齢者

上に述べたような「心理的背景」があると、理性のブレーキが効かない認知症の方は、なにげないひと言や小さな刺激にも感情が高ぶり、ときに暴力という形で反応します。

介護する側の言動が、ご本人の焦りや不安を逆なでし、暴力や暴言の引き金となっていないか?一度立ち止まって考えてみる必要があります。

●気をつけたい行為

・ご本人の行動を正そうと、しかりつけたり強制的な態度をとる
・「早くして」「ちがうでしょ?」といった焦燥感を煽る
・声をかけずにいきなり体に触れる(ご本人は身の危険を感じている)
・物盗られ妄想に対して「誰も盗っていない」と否定したり、「嘘つき」「ボケている」となじる

売り言葉に買い言葉となれば、争いはヒートアップし、暴力に至るリスクもさらに高まります。なんでもない言動も、認知症の人には「注意を受けた」「侮辱された」という不快感だけが刻み込まれます。ご本人の自尊心を傷つけるような言動はなによりも避けるべきです。

そして、落ち着いているときには、ご本人の声に耳を傾けてみましょう。物盗られ妄想やレビー小体型認知症による幻覚は、ご本人にとっては「現実」であり、我々を困らせようとウソをついているわけではないのです。攻撃的なふるまいの理由がわかれば、適切な対処法が見いだせるかもしれません。

もしも暴力が見られたら…具体的な対処法

ポイント

(1)対抗せず、距離をとる

暴言や暴力など攻撃的な振る舞いが見られたら、対抗しようとせず、その場から離れてしばらくは様子をみましょう。興奮状態にある人になにを言い返してもさらに感情を高ぶらせるだけです。「この人は認知症という病気なのだ」と再確認しながら、対応をすることが大切です。

(2)落ち着いて対応する

認知力が低下している方でも、介護する人の緊張や怯えといった空気感は敏感に感じ取り、イラ立ちをエスカレートします。暴力がはじまったら、なによりもまず落ち着くことを自分に言い聞かせましょう。

(3)感情的にならず、ほめあげる

お年寄りの興奮状態はそう長くは続きません。とっさに怒鳴り返したり、感情的な対応をすると、ご本人には「否定された」「危害を加えられる」という不快感が残り、悪循環となります。むしろ、認知症の人が攻撃的になっているときは、うまく話を合わせて「ほめあげる」対応が原則。自分を受け入れてくれる人というプラスの印象が残り、次のトラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。

(4)体に触れるときは声をかける

認知症の方は自分の置かれている状況がわからないため、突然体に触られると、拒絶反応で殴ってきたり、噛み付いたりすることがあります。介護のときは、「ベッドにいきましょうね」「お着替えしましょう」と、一声かけてから接触しましょう。また、母親や妻を介護している男性の場合、暴力を力で抑えつける傾向がありますが、これはご本人に恐怖感を植え付けるだけです。さらなる暴力や介護拒否の原因になるのでやめましょう。

(5)介護者を変えてみる

多くの場合、認知症による暴力・暴言は、最も身近な介護者(家族であれば、奥さんなど)に向けられます。そんなときは、他の家族やヘルパーさんなど第三者に協力をあおぐなど、介護者を変えてみるのもひとつの方法です。興奮が治まる場合があります。

(6)危険物を置かない

物を投げる、ひっくり返すといった行為に備えて、手が届く範囲に危険な物を置かないようにしましょう。

(7)医師に相談する

暴力が日常的に続くときは、精神科医に相談しましょう。興奮を抑制するお薬を投与したり、場合によっては入院することで、怒鳴ったり暴れたりといった行動を抑えられるかもしれません。

(8)施設への入居を考える

介護の負担が著しいと感じたら、精神科の受診、服薬治療など、現在の症状をコントロールする努力を前提に、施設への入居を考えましょう。見守る家族の安全があってこそ、ご本人も快適な余生を過ごすことができます。ささいな悩みでも抱え込まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターの力を借りながら、最善の対応策を検討してください。

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