2017年08月09日

「介護が辛い…」と感じるのはどんな時?対処法や解決策は

悩む女性

近年、介護の悩みやストレスによる「介護うつ」がさまざまなメディアで取り上げられ、介護疲れによる虐待や殺人などの痛ましいニュースも相次いで報道されています。

こうした状況に陥るのを防ぐためには、「介護が辛い」と感じる要因を把握し、その対処法や解決策について知ることが大切といえます。

介護が辛くなるさまざまな要因とは

2017年5月、大王製紙株式会社が「介護と年齢」に関する調査をおこないましたが、在宅介護をしている男女300人を対象としたこのアンケートでは、在宅介護が「思ったよりも精神的に辛い」と回答した人が約7割(69%)に上ったとのこと。

また同調査では、在宅介護が「思ったよりも肉体的に辛い」と回答した人も6割を超えており(61%)、実際に自宅で親を介護してみて、心身に予想外のつらさを感じた人が多いことを示す結果となっていました。

それでは、続いて介護が辛くなる要因について見ていきましょう。

・排せつ・トイレの問題
上記の大王製紙の調査で、介護において「精神的に辛いと感じたこと」について尋ねたところ、もっとも多くの人があげたのが「排せつ介助」でした(介護が「思ったよりも精神的に辛い」と回答した人のうち68%・複数回答可)。

同アンケートの結果報告では、「漏れ」や「夜間のトイレ介助」に悩まされているという意見も紹介されていましたが、介護が必要な人にとっては排せつに関する介助は生きていく上で日々欠かせないものです。しかし、汚れた下着やおむつの交換、トイレへの付き添いや掃除といった作業を繰り返しおこなうことが、介護者を精神的にも肉体的にもまいらせる要因となってしまう場合も多いようです。

・睡眠不足
上記の調査においては、約4割(39%)の人が「(夜間の排せつ介助をおこなうことで)寝不足になった経験がある」とも回答していましたが、在宅介護においては、夜中に何度もトイレに起こされることで介護者が睡眠不足になってしまうケースもあります。

またトイレ以外でも、認知症の人の場合は夜中に家の中や外を歩きまわったり、大声を出したりといった行動が見られることもあり、こうした行為が繰り返されることによって介護者が「眠れない」という状況に陥ってしまうケースも見られます。

・暴言・暴力
認知症や高次脳機能障害を持つ人においては、脳の損傷や萎縮を原因として、怒りっぽくなったり、キレやすくなったりといった「性格の変化」が見られる場合もあります。しかし認知症が原因とはいえ、同居している家族、それも身の回りの世話をしている相手から暴言を吐かれたり、暴力を振るわれたりするのは本当に辛いものです。

また暴力や暴言には至らなくても、「不安からしょっちゅう大きな声を出す」「他者から見るとわけのわからない話や行動を何度も繰り返す」といった認知症患者の行為も、同居している家族にとって大きなストレスになってしまう場合があります。

・相談相手がいない
上記の例に限らず、親の介護にはさまざまな苦労が伴うことが多いのも実情ですが、こうした介護上の悩みやストレスを誰にも相談できずに1人で抱え込んでしまうと、介護のつらさはより深刻になってしまう可能性もあります。

特に親と同居して1対1で介護をおこなう人の場合は、介護者と要介護者が一緒に過ごす時間が長くなることも多く、「閉じた世界」で双方がストレスを溜めこんでしまうケースも見られます。

「介護のつらさ」を軽減する解決策とは

それでは、こうした「介護のつらさ」を緩和・軽減する対策にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは介護をおこなう家族にとって有効と思われる具体的な対処法を紹介していきます。

相談する

・専門機関や専門家に相談する
国内の各市区町村には、医療や福祉など高齢者の生活全般に関する相談窓口として地域包括支援センターが設置されています。センターには主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)、保健師、社会福祉士が常駐しており、高齢者からの相談はもちろんのこと、高齢者の介護をおこなっている家族からの相談も受け付けています。

またケアマネジャー(介護支援専門員)は、要介護者が適切に介護保険によるサービスを受けられるようにケアプランを作成したり、介護事業所などの関係機関との連絡・調整をおこなったりと、さまざまな役割を担う介護の専門家ですが、要介護者や介護をおこなう人の相談に対応することも重要な仕事のひとつ。介護についての悩みや心配ごとは、ちいさなことでもまずはケアマネジャーに相談してみましょう。

全国の地域包括支援センターの一覧 厚生労働省
(ページ下部に各都道府県へのリンク有り)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

・家族や知人に相談する
日本老年学的評価研究(JAGES)のプレスリリースによると、家族・友人といった「身近な相談相手」が1人以上いる人は、「身近な相談相手」がいない人よりも介護の負担感の程度が約13.7%低いとのこと。この研究報告は、身近に相談相手を持つことによって、介護のつらさが軽減されることを示しています。

身のまわりに相談できる家族や友人・知人がいる人は、自分が抱えている介護の悩みやストレスを積極的に話してみましょう。もし相手が介護経験者であれば、具体的なアドバイスがもらえるかもしれません。また、特に助言やアドバイスがなかったとしても、介護のつらさについて話を聞いてもらえるだけで、ストレスは多少なりとも軽減されるはずです。

・介護の知識や正しい介助法を身につける
事故や腰痛、あるいは感情的なトラブルを防ぐ意味でも、身内の介護をおこなう際に正しい知識や介助法を身につけておくことはとても大切です。たとえば認知症の人が「なぜ、そのような行動をするのか」ということを理解したり、体に負担のかからない介助の方法を実践したりすることによって、介護をする人の心身の負担が大幅に軽減される場合もあります。

こうした知識や技術を身につけるには、都道府県や市区町村がおこなっている講習会に参加したり、専門学校やカルチャースクール、通信講座などで開講されている介護をする家族を対象とした実践講座を受講するなどさまざまな方法があります。まずは、居住する市区町村の地域包括支援センターや高齢者福祉課などに、介護をする家族向けのセミナーや講習会がないか問い合わせてみましょう。

在宅介護者のための研修事業(東京都品川区の例)
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/page000002500/hpg000002404.htm

・デイサービスやデイケア、ショートステイを利用する
「介護のつらさ」を緩和・軽減するには、介護をおこなう人がひと息つくことができる「自分の時間」を持つことが重要となりますが、こうした時間を作る際に有効なのが、デイサービスやデイケアといった通所型の施設やショートステイ(短期入所生活介護)を利用する方法です。

日ごろ、在宅介護で24時間気の抜けない生活をおくっている人にとっては、週に数回、1日数時間でも、介護から完全に自由になる時間を持つことは、ストレスを解消し、家族との関係を良好に保つためにもとても大切です。また介護を受ける人にとっても、こうした施設を利用することは、家に閉じこもることを防ぎ、外で家族以外の人とふれあう貴重な機会となります。

上記の施設を利用できる回数や時間は要介護度によっても異なりますが、複数の施設を組み合わせて利用することや、普段は通所型の施設を利用しつつ、ときどきショートステイで長めの息抜きをするといった利用法も可能であるため、介護を受ける本人やケアマネジャーと相談のうえで、それぞれの家庭環境や家族の事情にあったプランを状況に応じて考えていきましょう。

介護士と高齢者

・入所型の施設を利用する
これは実際にあった話ですが、介護・福祉関連の仕事においてはベテランのAさんが父親を施設に入れることに決めたのは、排せつの問題がきっかけだったといいます。Aさんは仕事柄、高齢者福祉や認知症にある程度の理解がありましたが、Aさんの父親は認知症が進行するにつれて、家の廊下や居室で尿や便の失禁をするようになり、Aさんや同居している家族は「自宅での介護には限界がある」ことを認めざるを得なくなったそうです。

結局、Aさんは複数の施設を見学した上で、自宅から徒歩10分ほどの場所にある認知症高齢者グループホーム(認知症対応型生活介護)に父親を入所させることにしたのですが、Aさんや家族がまめに父親のいる施設に顔を出すこともあり、現在は家族の関係はうまくいっているとのことでした。ほかにも、たとえば母親と息子の2人暮らしといったようなケースでは、性別の違いなどから自宅での介護が難しいという場合もあります。

このように、在宅介護において介護をする家族が相当な無理や我慢を強いられるような場合は、老人ホームやグループホーム、介護老人保健施設といった入居型施設の利用を視野に入れることも必要といえるでしょう。

介護のつらさを軽減するには「他者の助けを借りる」ことも大切

上記の対処法の例でもわかるように、「介護のつらさ」を軽減するには、専門家や施設といった「他者の助けを借りる」ことがとても重要となります。「介護うつ」や介護のストレスによる虐待といった深刻な事態を避けるためには、介護の悩みや苦しみを独りで抱えこまずに、他者と分かち合うことが大切といえるでしょう。

今回あげた「介護が辛い」と感じる要因やその対処法はほんの一例ですが、たとえば職場や周囲の人には介護をしていることを日ごろからオープンにしておき、ケアマネジャーやかかりつけ医といった専門家とは気軽に相談できる関係を築いておくこと。そして、それでも自分の手に負えないと感じたときは、無理や我慢をせずに、状況に応じてさまざまなサービスや介護施設を利用していくことが、介護のつらさを軽減するコツといえるかもしれません。

▼参考資料
・「介護と年齢」に関する意識・実態調査 大王製紙株式会社プレスリリース
http://www.daio-paper.co.jp/news/2017/pdf/n290529.pdf

・身近な相談相手で介護負担感1割低い 日本老年学的評価研究プレスリリース
https://www.jages.net/about_jages/puress/?action=cabinet_action_main_download&block_id=967&room_id=35&cabinet_id=20&file_id=457&upload_id=1190

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