2017年09月27日

【特養や有料老人ホームへの入居】どんなタイミングで考えればいい?

高齢者夫婦

親に日常的な介護や生活支援が必要であり、なんらかの理由で自宅で生活を続けていくのが難しくなったとき、特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームのような介護施設を利用することが必要となります。

しかしこうした施設に入居するタイミングについては、費用の問題や「親に切り出しづらい」ことなどから悩む人も多く見られます。

介護施設への入居のきっかけで多いのは?

高齢者が介護施設を利用する理由はさまざまですが、下記のような状態になったことがきっかけで入居を決める人が多いようです。

・自力での歩行が困難になった

在宅介護から介護施設に移行する理由として多いのが、加齢やケガで足腰が衰えたため「1人で歩いたり、立ったりするのが難しくなった」というケースです。たとえ寝たきりの状態でなくても自力で立つことが難しい人の場合、自宅で家族が介助するのはかなりの労力を必要とします。また歩行が困難だからといって動かずにいると、足腰の衰えが急速に進行してしまう可能性もあります。こうした点を考えると、屋内で車椅子を使用することが可能であり、専門家による介助やリハビリが受けられる有料老人ホームなどのほうが、自宅よりも暮らしやすい環境といえるかもしれません。

・認知症の進行により日常生活に支障が出るようになった

身体の機能に問題がなくても、認知症の進行による問題行動が原因で在宅での介護が難しくなってしまうというケースは珍しくありません。たとえば認知症の問題行動のひとつに家の中や外を歩きまわる徘徊がありますが、これは足腰が丈夫な人ほど遠くへ行ってしまう可能性があり、行方不明になる危険も多いため、家族が要介護者から目が離せない状態になってしまう可能性があります。また徘徊以外でも、家族や周囲の人への暴言・暴力や失禁、排泄の失敗などが多いと家族への負担が大きくなるため、自宅で生活を続けていくのが難しくなってしまいます。

・病気やケガによる医療機関への入院

高齢になると病気やケガをきっかけに入院して、そのまま介護が必要な状態になるというケースも多く見られます。高齢者の場合は入院中に急速に足腰が衰えてしまったり、認知症が進行してしまったりすることも多く、退院後の自宅での生活が困難になる場合もあります。

・在宅での生活に不安を感じたとき

特に介護が必要な状態でなくても、高齢者の一人暮らしなどで自宅での生活に不安を感じている場合は、施設に入居したほうが安心して生活できることもあります。なかには普段は自宅で生活しつつ、健康面で不安の大きい冬のあいだだけ施設に入居するという高齢者も見られます。

・在宅介護の費用が高額になったとき

介護保険制度では利用できるサービスの内容や回数が要介護度ごとに定められており、それを超えた分は自己負担となります。公益財団法人 家計経済研究所が2016年におこなった「在宅介護のお金とくらしについての調査」によれば、在宅介護にかかる1ヶ月あたりの費用の平均は5万円(介護サービス費1万6千円と医療費やおむつ代などそれ以外の費用3万4千円の合計)とのこと。

しかし介護にかかる費用は要介護度が高くなったり、認知症が進行したりするほど高くなる傾向があり、「要介護4か5で、認知症も重度」という世帯では、1ヶ月平均13万円の支出があるという報告もおこなわれています。在宅介護でもこのように月々の費用が高額になってくると、特養や介護付有料老人ホームといった介護保険が適用される施設を利用した場合と費用の面であまり差がなくなってきます。在宅介護における家族の負担を考えると、このように在宅での介護費用が高額になってきた場合も、施設への入居を検討するタイミングといえるでしょう。

またいずれの場合においても、介護施設を利用するタイミングとして重要なのは、介護者が心身の限界を迎える前に施設への入居をおこなうということ。自宅での介護に無理や負担を感じていたら、そのストレスが大きくなってしまう前に施設への入居を検討するのが、介護うつやストレスによる虐待を防ぐためにも大切といえます。また在宅介護から施設での介護にスムーズに移行するためには、要介護者が施設を見学したり、施設選びを一緒におこなったりできる健康状態のうちに、施設への入居について話し合っておくことも重要といえるでしょう。

特養への入居にかかる費用は?

費用

介護施設のなかでも特養は費用が安く抑えられることや、設置されている施設の数が多いことなどから特に人気が高くなっています。ただし、特養の入所条件は原則として要介護3以上と定められているため、入居するためには、まずは要介護認定の申請をおこなうことが必須となります。

要介護認定の申請手続きや受けられるサービスについては、こちらをご覧ください。

・要介護の申請から認定までの手続きの流れ
https://p-kaigo.jp/news/16865.html

・【要介護と要支援】認定の基準や受けられるサービスの違いは?
https://p-kaigo.jp/news/17012.html

また要介護1~2の人であっても、認知症で日常生活をおくることが困難であったり、家族や地域からの支援が期待できなかったりといった事情があれば、特例として特養に入居できる場合もあります。

【参考記事】<特養> 要介護1、2の入所 門前払い禁止 厚労省が通知毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170404/ddm/008/100/071000c

また、特養の人気が高い大きな理由として入居一時金が不要な点があげられます。有料老人ホームなど民間の介護施設の多くが、入居時に数十万円からときには数千万円といった高額な費用を必要とするのに対して、特養の場合は必要なのは月々にかかる費用のみであり、入居時にまとまったお金を用意する必要はありません。さらに特養の料金については、国が標準的な費用を示しているため、基本は全国一律であることも大きな特徴といえるでしょう。

ただし特養の利用料金は要介護度や部屋のタイプ、本人の収入状況、施設で受けるサービスなどによって異なります。まず部屋のタイプですが、特養の居室は下記の4種類に分けられます。

・多床室
2~4人程度の相部屋

・従来型個室
リビングなどの共同スペースのない個室

・ユニット型個室
10人程度を1単位としたユニットで共有するスペース(リビング、食堂など)を併設した個室。

・ユニット型準個室
10人程度を1単位としたユニットで共有するスペース(リビング、食堂など)を併設しているが、部屋は完全な個室ではなく、天井に隙間のある壁などでベッドを仕切る形となっている。

特養の月々の利用料は「施設サービス費(介護保険の自己負担分)+居住費・食費+日常生活費」で構成されていますが、施設サービス費については国が標準的な金額を提示しているほか、居住費は「室料+光熱費相当」、食費は「食材料費+調理費」と定められています。また日常生活費については、おもに理美容のサービスや日常生活に必要な用品(歯ブラシ、シャンプー、ティッシュペーパーなど)を使用した際の実費となっています(オムツ代は施設サービス費に含まれます)。

また介護保険で1割(一定以上の所得がある人は2割)の自己負担となる施設サービス費は要介護度が重くなるほど高額になり、居住費は「多床室→従来型個室→ユニット型」の順で高くなっていきます。ちなみに厚生労働省の資料には、要介護5(自己負担1割)の人が多床室に入居した場合の月あたりの料金が約101,700円(施設サービス費24,500円+居住費25,200円+食費42,000円+日常生活費10,000円)、ユニット型個室に入居した場合の料金が139,000円(施設サービス費27,000円+居住費60,000円+食費42,000円+日常生活費10,000円)という料金の目安が例示されています(日常生活費は施設によって設定)。

また特養の利用料金については下記の2種類の減免措置が設けられています。ひとつは高額介護サービス費で、これは1ヶ月あたりに介護保険の介護サービスを利用して支払った自己負担額が定められた限度額を超えた場合に、差額が払い戻される制度で施設サービス費の部分に適用されます。なお高額介護サービス費の限度額は、利用者や世帯の収入によって1万5千円~4万4千円のあいだで段階的に定められています(2017年9月現在)。

もうひとつは特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)です。これは特養や老健などの介護保険施設に入居している人の所得が一定以下の場合に、食費と居住費に自己負担の限度額を設け、限度額を超えた部分が介護保険から支給される制度です。なお、これらの減免制度を利用する際は市区町村の窓口への申請が必要となります。特養の利用料金の目安や高額介護サービス費、特定入所者介護サービス費の負担限度額の詳細については下記の厚生労働省のホームページでご確認ください。

サービスにかかる利用料 厚生労働省
http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html

施設への入居に際しては、十分に情報収集をおこなうことも大事

考える女性

特養への入居は申し込み順や先着順ではなく、入居の必要性の高い人が優先される仕組みとなっています。以前は、特養に入居の申し込みをしてもなかなか施設に入ることができない「待機老人」が社会問題となっていましたが、入居の条件が原則「要介護3以上」に厳格化されたことにより、最近では多くの施設に空きが出てきていることも報じられています。

しかし、だからといって申し込んですぐに特養に入居できるというわけではなく、通常は申し込み後に書類審査や優先度の判定、面接などがおこなわれ、その後に入居日が決まる流れとなっています。

特養の入居申し込みについては市区町村に申込書を提出する必要があるため、まずは各市区町村の介護保険課や地域包括支援センターなどに問い合わせをおこないましょう。また実際に申し込みをおこなうまでに、ケアマネジャー(介護支援専門員)と相談の上、できれば入居する本人も同行して入居可能な施設を見学しておくことも大切です。

また、希望する特養への入居待ち期間が長い場合には一時的に有料老人ホームやグループホームに入居して順番を待つという方法もあります。ちなみに特養はおもに食事や入浴、排泄といった日常生活の介助や健康管理、機能訓練などを提供する施設であるため、高度な医療ケアを必要とする場合は、老健や医療ケアの充実した有料老人ホームなどへの入居を検討する必要があります。また認知症の症状が重い場合などには、認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)のように認知症に特化した施設のほうが適しているかもしれません。

このように高齢者施設にはさまざまな種類がありますが、入居に際して重要となるのは、本人の状態を把握した上で入居に適した施設の情報を集めておくことです。そのうえで特養への入居を希望するのであれば、入居までに時間がかかることを考慮して、早めに申し込みの手続きをおこなっておくことが必須となります。また特養に限らず、入居を考えている施設があればまずは見学に出かけ、本人にもショートステイ(短期入所生活介護、短期入所療養介護)などで入居前に施設での生活に慣れておいてもらうのが望ましいといえるでしょう。

▼参考資料
・在宅介護のお金と負担(2016年調査) 公益財団法人 家計経済研究所
http://www.kakeiken.or.jp/jp/research/kaigo2016/index.html

・利用できるサービス(特養やショートステイの利用料金を例示) 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kourei/riyousya/aramashi/pdf/service.pdf

・特別養護老人ホームの入所申込 新宿区
http://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/kaigo01_001023.html

・特養13%「空きある」 職員不足など理由に 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASK3740XDK37UTFK007.html

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