2017年10月11日

【介護にかかる費用の平均額とその内訳は?】在宅介護と施設入居の費用を比較

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介護にかかる費用は、介護が必要な人の状態や利用するサービスなどによって大きく異なるため、見通しが立てにくい面があります。

介護の形態は、自宅で親を介護する在宅介護老人ホームなどの介護施設を利用する方法の2種類に大きく分けられますが、ここではこうした介護費用の相場介護にかかるお金の内訳について解説していきます。

在宅介護にかかる費用の平均は月5万円

まず在宅介護についてですが、公益財団法人 家計経済研究所が2016年に全国の「親(または義親)と同居しながら介護をしている40~60歳代の男女」を対象としておこなった調査によると、在宅介護にかかる費用の平均は1ヶ月あたり5万円とのこと。これは訪問ヘルパーやデイサービスの利用といった介護保険による介護サービスの利用料の平均額1万6千円と、医療費やおむつ代など介護サービス費以外の支出の平均額3万4千円を合計したものです。

ちなみに介護保険による居宅介護サービスについては、要介護度ごとに下記のような利用限度額が定められています。公的な介護保険においては、この限度額内であればさまざまな介護サービスを自己負担1割(一定以上の所得がある人は2割)で利用することができますが、限度額を超えた分は原則として全額(10割)を利用者が負担することになります。

<介護保険による居宅サービスの利用限度額>※標準的な地域の例

要支援1…50,030 円
要支援2…104,730円
要介護1…166,920円
要介護2…196,160円
要介護3…269,310円
要介護4…308,060円
要介護5…360,650円

上記の調査によれば、在宅介護をおこなう人のほとんどは、この限度額の範囲内で介護サービスを利用しているとのことですが、ごく一部に限度額を超えて全額自己負担で介護サービスを利用する人もおり、こうした人の支出は下記の平均額を大幅に上回っていたそうです。

<1ヶ月にかかる介護サービス費の平均額>

要介護1…7千円
要介護2…1万4千円
要介護3…2万5千円
要介護4…1万7千円
要介護5…2万1千円

一方、上記の調査における介護サービス費以外の1ヶ月あたりの支出の平均額は下記のとおりとなっていました。

<1ヶ月にかかる介護サービス以外の費用の平均額>

要介護1…2万6千円
要介護2…3万円
要介護3…3万5千円
要介護4…4万2千円
要介護5…5万3千円

介護サービス費以外の支出の内訳は、おむつ代のような介護用品にかかる費用や医療費、税金や保険料(医療保険、介護保険)などで構成されていますが、いずれの要介護度の場合も介護サービス費を上回る支出があることが大きな特徴といえます。

同調査では、おむつ・パッド類のほか、介護食や配食サービスも介護用品への支出として計上していますが、調査結果からは要介護度が重くなるほどこうした費用が高額になっていくことも伺えます。

▼参考資料
・在宅介護のお金と負担(2016年調査) 公益財団法人 家計経済研究所
http://www.kakeiken.or.jp/jp/research/kaigo2016/

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さらに在宅介護においては、車いすやポータブルトイレなどの福祉用具を揃えたり、自宅を生活しやすいように改修したりすることも必要となる場合があり、上記の支出以外に一時的な費用が発生する可能性もあります。

このうち福祉用具については、車いすや介護ベッドなどはレンタルを利用し、ポータブルトイレや入浴用品などレンタルに適さないものについては購入するというケースが多いようです。福祉用具のレンタルは介護保険の在宅サービスに含まれており、要介護度に応じた用具を自己負担1割(一定以上の所得がある人は2割)でレンタルすることが可能です。福祉用具のレンタル料金は事業者や用具のタイプによっても異なりますが、標準的な車いす(電動でないもの)で月々300円~700円程度、電動式の標準的な介護ベッド(特殊寝台)で月々700円~1200円程度(いずれも自己負担1割の場合)が相場のようです。

また福祉用具の購入については、特定の福祉用具を都道府県が指定した福祉用具販売事業者から購入した場合に限り、年間10万円を上限として購入費の9割(一定以上の所得がある人は8割)が介護保険から支給されます。この特定福祉用具購入費の支給対象となる福祉用具は下記のとおりです。

・腰掛け便座
・簡易浴槽
・自動排泄処理装置の交換可能部品
・移動用リフトのつり具の部分
・入浴補助用具

こうした福祉用具の価格はさまざまであり、上記の腰掛け便座に該当するポータブルトイレを例にとると、1万円台で購入できる樹脂製の簡易なものから、木製の家具調タイプ(3万円~)までさまざまな種類があるほか、近年では水洗機能のついた販売価格が数十万円というものも特定福祉用具購入費の支給対象となっています。そのため、福祉用具を購入する際には、要介護者の状況や価格と照らし合わせて、購入とレンタルのどちらが適しているのか検討することが必要といえるでしょう。

▼参考資料
・介護保険福祉用具のご案内 世田谷区
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/105/880/881/885/d00015225_d/fil/15225_1.pdf

一方、住宅の改修費については原則として1人1回のみ、20万円を上限として、下記の定められた改修をおこなった際に改修費の9割(一定以上の所得がある人は8割)が介護保険から支給される制度があります。

<住宅改修費の支給対象となるリフォーム>

・手すりの取付け
・段差の解消
・滑りの防止および移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
・引き戸等への扉の取替え
・洋式便器等への便器の取替え
・そのほか上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

住宅の改修については、事業者によって大きく料金が異なる場合があるため、複数の業者に見積もりを取ったり、あらかじめ予算を伝えて予算内で改修をおこなってもらうようにしたりすることも大切です。また介護保険から住宅改修費が支給されるのは、改修が終わった後になるため、当初は全額負担となることも頭に入れておかなければなりません。

▼参考資料
・介護保険における住宅改修 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf

なお、福祉用具の購入費や住宅改修費への補助については市区町村への申請が必要となります。いずれの補助制度も要介護(要支援)の認定を受けていれば利用できますが、細かな要件を確認する意味でも、福祉用具の購入や住宅のリフォームをおこなう際は、事前に介護支援専門員(ケアマネジャー)や市区町村の窓口などに相談するようにしましょう。

在宅介護と介護施設の費用の比較

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ちなみに上記の家計経済研究所の調査では、認知症の状態も介護費用に関係することが判明しており、もっとも介護負担が重いと思われる「要介護4か5で認知症も重度」という世帯では、1ヶ月あたり平均13万円の支出があることも報告されていました。

このように認知症が進行している人や要介護度が重い人の場合、「1人にしておけない」「目が離せない」という状態になるケースも多く、自宅で介護をおこなう際には訪問介護や訪問看護、見守りなどさまざまな介護サービスを組み合わせて利用する可能性も高くなります。しかし、さまざまな介護サービスを多く利用した結果、1ヶ月あたりの支出が老人ホームなどの施設に入居した場合より高額になってしまうこともあります。

たとえば、もっとも費用が安く抑えられる入居型の施設として人気が高い特別養護老人ホーム(特養)の場合、入居時の一時金が不要なため、支払うのは月々の利用料のみとなっています。特養の料金は要介護度や部屋のタイプによっても異なりますが、基本的に要介護度が重くなるほど施設サービス費(介護保険の自己負担分)は高くなります。

横浜市が例示している資料によると、もっとも安価な多床室(2人~4人の共同部屋)に要介護1の人が入居した場合、かかる費用は「施設サービス費(1割負担の場合)17592円+部屋代25200円+食費41400円+日常生活費」となり、歯ブラシ代や理美容代の日常生活費を1万円として計算すると、月々94192円の費用がかかることになります。

しかし特養の食費や部屋代については、所得や資産が一定以下の人については負担限度額という減免制度が適用され、同じく施設サービス費についても所得が一定以下であれば高額介護サービス費によって自己負担が軽減されるため、利用者が実際に支払う料金は6万円程度に抑えられるケースもあります。こうした点を考えると、特養の利用にかかる料金については、初期費用はゼロ、月々の利用料金は6万円~15万円程度といえるでしょう。なお、負担限度額や高額介護サービス費の詳細や、要介護度・部屋のタイプ別の特養の利用料金の目安については下記の資料をご覧ください。

▼参考資料
・サービスにかかる利用料 厚生労働省
http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html

・特別養護老人ホームを利用するときの自己負担の目安(28ページに記載) 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kourei/riyousya/aramashi/pdf/service.pdf

一方、民間の介護付き有料老人ホームについては、低価格の施設と高額な施設のあいだで月あたりの費用に約9倍もの差があることも報じられるほど、その利用料は立地条件や設備などによって大きく異なります。 しかし、なかには入居時の一時金が不要という施設もあり、月額費用についても15万円程度と、近年増えている特養のユニット型個室(リビングなどの共有スペースを備えた個室)を利用した際の月額費用とそれほど大きな差がない施設も見られます。そのため最近では、特養の入居待ちのあいだだけ民間の介護付き有料老人ホームやグループホームを利用する人もいるようです。

ひと口に入居型の施設といっても、高齢化が進む現在においては、予算や要介護度、認知症の有無や医療ケアの必要性などに応じてさまざまなタイプの施設が各地に設置されているため、情報を収集してサービス内容や価格、立地条件などを検討の上、本人や家族の状況にもっとも適した施設を選ぶことが重要といえるでしょう。

在宅介護か施設への入居かで迷ったときは

在宅介護は費用が安く抑えられるイメージがありますが、これまでも述べたように、在宅では要介護度が重くなるほど多くの介護サービスを利用することが必要となり、トータルで見ると施設に入居するよりも高額になってしまう場合があります。かといって、こうしたサービスを利用せずに介護をおこなうことは、家族の負担や安全性などを考えるとおすすめできません。

介護保険の介護サービスには、週に1~2回程度のペースで施設に通う通所介護(デイサービス、デイケア)や、数日~30日程度の短期間だけ施設で暮らすショートステイ(短期入所生活介護、短期入所療養介護)などもありますが、「在宅介護は大変だが、施設への入居にも踏み切れない」という状態のときは、こうしたサービスを活用しながら、家族の介護負担を軽減していくことも大切といえるでしょう。

▼参考資料
・福祉用具レンタル料金 ケアマネブック北九州
http://www.caremanebook.com/kaiho/entry36.html

・高級から低価格まで 介護老人ホームの違いを探る  日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO5985670018092013000000/

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