2018年07月11日

【デイケア(通所リハビリテーション)とは】サービスの内容や料金、デイサービスとの違いは?

運動する高齢者夫婦

介護保険による通所型サービスのひとつであるデイケア

デイケアには通所リハビリテーションという正式名称がありますが、その名のとおりサービスの内容は、居宅から施設に通っておこなう機能訓練などのリハビリが中心となっています。ここでは、デイケアのおもなサービス内容やデイサービス(通所介護)との違い、利用条件や料金などについて解説していきます。

デイケアとは

デイケアは、高齢者の日常生活の自立を助けることや、心身機能の維持・回復などを目的としたプログラムを日帰りでおこなうサービスです。

デイケアはおもに介護老人保健施設(老健)のようなリハビリ施設や、病院・診療所などの医療機関で実施されています。デイケアを利用する人は、自宅や老人ホームなどの居宅からデイケアを実施する施設に通うことになるため、居宅から施設の行き帰りについては車による送迎がおこなわれます。またデイケアには高齢者を対象としたサービス以外にも、精神科や心療内科に通院中の人を対象として、就職や復学などをサポートするものもあります。

デイケアで受けられるサービスは?

デイケアのプログラムは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などによるリハビリテーションが中心となっていますが、ほとんどの施設ではそれに加えて食事や入浴、レクリエーションなどのサービスもおこなっています。

デイケアでおこなわれるおもなリハビリテーションとしては、下記のようなものがあげられます。

理学療法…立つ・歩く・ベッドから起き上がる、といった基本動作の訓練。関節の機能や筋力・体力などを維持回復するためのトレーニングなど。

作業療法…食事・トイレ・入浴・着替えなど、日常生活に必要な動作の訓練をおこなうほか、認知症の人に対しては精神機能を維持・回復するための訓練をおこなう場合もあります。

言語聴覚療法…話す・聴く・食べる・飲みこむ、といった行為が困難な人に対して、利用者の状態に合わせたケアや訓練をおこないます。

そのほかにもデイケアにおいては、専用のマシンを使ったトレーニングや集団体操、心身機能の維持回復につなげることを目的としたレクリエーションなどのプログラムをおこなっている施設も多く見られます。こうしたレクリエーションの内容は歌やゲームから絵画や工作、料理まで、施設によってさまざまとなっています。また、デイケアでは体温や血圧、体調などの健康チェックもおこなわれます。

デイサービスとの違いは?

ポイント

デイケアとよく似た介護保険の通所型サービスに、デイサービス(通所介護)があります。

両者は混同されがちですが、デイサービスは「高齢者に外出の機会を与えること」や「自宅で介護をおこなう家族の負担を軽減すること」がおもな目的となっているのに対し、デイケアはあくまで心身機能の維持向上を目的としたリハビリテーションが中心となっている点が大きな違いといえます。さらに、デイサービスには医師やリハビリの専門職の配置は義務づけられていませんが、デイケアには理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職や医師の配置が義務づけられています。

またデイケアでは介護職員や看護職員の見守りや介助のもとで食事や入浴のサービスもおこなわれますが、上記のような性質上、デイケアの食事は医師の指導や管理栄養士の監修による病院食に近いものを提供する施設が多いようです。逆にデイサービスのなかには、食事のメニューが凝っていたり、温泉を併設していたりと、「日帰りレジャー」のような要素が強い施設もありますが、このあたりも両者の大きな違いといえるかもしれません。

ただし近年においては、マシンを使った機能訓練に力を入れているデイサービスが増えている一方で、レクリエーションにも重点を置くデイケアが出てくるなど、両者の違いがわかりにくくなっている面があるのも事実です。

デイケアの利用条件

デイケアを利用するには要介護または要支援の認定を受けている必要があります。さらに、デイケアはリハビリによる心身機能の維持回復を目的とした施設であるため、利用にあたっては医師や理学療法士による指示や認定も必要となります。

また、おなじデイケアであっても、要介護1~5の人は通所リハビリテーション、要支援1・2の人は介護予防通所リハビリテーションとなり、利用料金や利用時間、サービス内容などが異なります。たとえば、要介護の人を対象としたデイケアでは、朝~夕方など日中のほとんどを施設で過ごすようなプログラムをおこなっている施設が多く見られますが、要支援の人については、おなじ施設であっても2~3時間程度の短いプログラムがとなっている場合もあります。また最近では要介護・要支援を問わず、食事や入浴のサービスを伴わない、リハビリに特化した1~2時間程度の短時間デイケアをおこなっている施設も増えてきています。

デイケアは週何回まで利用できる?料金の目安は?

要介護1~5の認定を受けている人の場合、デイケアの利用回数については、介護保険の利用上限額の範囲内であれば、特に制限は設けられていません。介護保険が適用される利用回数の目安は、要介護1の人で週2回程度、要介護2~3の人で週3回程度ですが、リハビリの必要性など利用者の状態によって適切な利用回数は異なり、施設によっても設けられている利用の上限回数は異なります。また、要支援1の人については週1回、要支援2の人については週2回という利用回数が定められています。

デイケアの利用料金は要介護度や利用時間、サービスの内容などによって異なるため、はっきりとした金額を例示することはできませんが、要介護1の人が通常規模(1ヶ月の利用のべ人数が750人以内)の施設を「6時間以上8時間未満」という区分で利用した場合、1回あたりの基本料金の目安は700円~800円程度となっています。要支援の人については、料金は1回ごとではなく月単位の計算となり、要支援1の人(週1回利用)で2000円前後、要支援2の人(週2回利用)で4000円前後が基本料金の目安となります。なお、デイケアではサービス内容によって、運動機能向上加算(1回あたり250円前後)や栄養改善加算(1回あたり150円前後)、口腔機能向上加算(1回あたり150円前後)などの加算が基本料金にプラスされるほか、食事や入浴、おやつなどのサービスを受けた場合は、それらの料金が別途かかることになります。

このようにデイケアでおこなわれるサービスの内容は幅広く、選択した施設やサービスによって利用料金が大きく異なるのも実情です。そのためトータルで実際にどれぐらいの利用料金がかかるかについては、利用する施設に詳細を確認することが必要となります。

必要に応じてサービスの使い分けを

高齢者夫婦

デイケアのサービスはリハビリが中心となるため、本人の症状に合った専門職の配置された施設を選ぶことが重要となります。たとえば関節や筋力、体力のトレーニングや、歩行などの基本動作の訓練は理学療法士、食事やトイレ、入浴などに関する日常生活に必要な行為の訓練は作業療法士、摂食や嚥下、発語などの訓練は言語聴覚士の担当となりますが、実際はこうした専門職や介護職員、看護職員の連携によってリハビリが進められるケースも多く見られます。

デイケアにおけるリハビリの現状から考えると、適切に職員が配置されていることに加えて、リハビリにおける職員の連携がスムーズかどうかという点も、施設を選ぶ際の重要なチェックポイントといえるでしょう。

一方、食事や入浴にレジャー的な楽しみを求める場合や、レクリエーションなどを通じた他者との交流を重視する場合は、デイケアよりもデイサービスを利用したほうが良いかもしれません。逆にスポーツジムに通うように、身体の機能訓練を重点的におこないたい人には、食事や入浴を省いた短時間デイケアが適しているといえます。また最近では、マシンを使ったトレーニングなどの機能訓練に特化した機能訓練型デイサービスも増えてきています。機能訓練型デイサービスにはリハビリの専門職が配置されていない場合もありますが、機能訓練指導員などによる指導や看護職員の監修により、利用者にあった心身機能の維持回復のためのトレーニングがおこなわれています。

そのため、「他者との交流やレクリエーションを楽しみつつ、心身機能の維持回復をしたい」など、デイケア・デイサービスの両方の要素を求める人にはこうした施設が適しているかもしれません。このように、ひとくちにデイケアやデイサービスといってもさまざまな種類があるため、通所型のサービスを選ぶ際には、本人の状態や好みにあった施設を選ぶのはもちろんのこと、実際に施設を見学し、体験利用をしてみることが大切といえるでしょう。

▼参考資料
・通所リハビリテーション 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168706.pdf

・通所リハビリテーション(デイケア) 独立行政法人 福祉医療機構
http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/kaigo/handbook/service/c078-p02-02-Kaigo-11.html

・介護予防通所リハビリテーション(デイケア) 独立行政法人 福祉医療機構
http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/kaigo/handbook/service/c078-p02-02-Kaigo-32.html

・公的介護保険で受けられるサービスの内容は? 公益財団法人 生命保険文化センター
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/nursing/11.html

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