2014年12月16日

介護報酬減額の政府方針固まる。介護保険利用者、サービス事業者への影響は

政府は15日、介護サービスを提供する事業者に支払われる介護報酬について、2015年度の改定で引き下げる方針を固めました。現在も財務省と厚生労働省との間で、引き下げ幅についての調整が進められていますが、当初6%の引き下げと言われていた減額率については、2%から3%の間に落ち着きそうな見通しだとの報道がなされています。

膨れ上がる一方の社会保障費削減の一環として、介護給付費についての減額が議論されてきました。介護報酬については、1%減額がなされると、全体の支出はおよそ1000億円減ると言われており、同時に、支出が減ることで、現在、5000円前後となっている介護保険料自体を引き下げる効果も見込めます。しかしその一方で、介護事業を運営する事業者側からすると、得られる報酬(収入)が減ることとなり、職員への賃金などへの影響が出る可能性もあります。

厚生労働省では、人材難が続く介護職員の確保をより確実なものとするために、ただでさえ低いと言われている介護職員の給与条件(全産業平均約32万円のところ、介護職員の平均賃金は24万円)を引き上げるべく、今回の介護報酬引き下げについては、職員の賃上げについては除くとしていますが、トータルで見た場合の介護報酬の減額が、運営する事業者側に最終的にどれくらいの影響を与えるものになるのか、そしてそれが介護職員の賃金アップを確保できるものに落ち着くのか、現段階では不透明です。

そもそも、介護報酬について引き下げが求められたのは、特別養護老人ホームやデイサービスなどの一部の介護事業者の利益率(※収支差率)が、平均で8%と、一般の中小企業の利益率2.2%を大きく上回っていることが問題だという指摘があってのこと。今回の引き下げについても、利益率の高いサービスを中心に行い、全体としてはマイナスになるような改定を行うとのことですが、職員一人あたり月額1万円程度とされる職員給与の引き上げについては条件付きのところもあり、政府の目論見通りの結果が導かれるかどうかについては予断を許しません。

高齢化社会を見据えた、制度維持のための改革は必要ですが、財政削減だけが優先され、それがもとで本来受けられるべき介護サービスが受けられなくなったり、介護職員の待遇が悪くなったりするようでは本末転倒です。

介護報酬の改定については、年明け早々、1月半ばに予定されている予算編成を経て正式に決定されます。

 

▼外部リンク(参照ページ)
朝日新聞デジタル:「介護報酬、9年ぶり減額へ 政府方針、費用抑制狙い(2014年12月16日07時13分)」
http://digital.asahi.com/articles/ASGDH5DC0GDHUTFL00F.html

日本経済新聞:介護費「賃上げ」除き抑制 厚労省3年ぶり改定、増税延期響く(2014/11/27 1:15)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H3H_W4A121C1EA2000/

福祉新聞WEB:処遇改善加算は存続 15年度改定で月給1万円アップ目指す(2014年12月08日号)
http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/6769

 

介護ぱど運営事務局